2025.05.19 貿易PF補助事業

【補助金申請予定者向け】令和7年度の貿易プラットフォーム活用補助金公募開始(5/19~)。昨年度事業と異なる点と、今年度も気をつけたほうが良さそうなポイントをご紹介

tradigi.jpでの速報でお知らせの通り、今年度も「貿易プラットフォーム活用による貿易手続デジタル化推進事業費補助金」の公募が始まることが5月14日に予告され、本日より1次公募が始まりました。

この記事では、令和7年度の補助事業について、昨年度事業と何が異なっているのかを紹介し、また、今年度においても気を付けたほうが良いと思われるポイントについて、昨年度の事務局としての経験に基づいてご紹介したいと思います。

なお、補助金の詳細や公募要領については、補助金のホームページをご覧ください。

昨年度と変わったこと(1)公募期間

2024年度は4月15日から公募が開始されていたところ、今年度は5月19日からの開始となりました。公募開始時期が1か月ほど後ろ倒しになっているため、交付決定までのスケジュールはややタイトになっています。また、補助金ホームページの「スケジュール」には2次公募、3次公募も記載されていますが、昨年度と変わっていなければ、先の公募で補助金予算が上限に達した場合には実施されない可能性も考えられます。早めの公募申請をしたほうが安全かも知れません。

昨年度と変わったこと(2)類型1と類型2の補助上限額

類型1は「国内外の貿易PFサービスを利用しようとする日本国の法人が、当該貿易PFと自社のシステムの接続を図るもの。」です。これはつまり「自社システムと貿易プラットフォームをシステム的に接続するための開発に対する補助金」なのですが、補助上限額が5000万円から2000万円になっています。また、類型2である「日本国の法人が、国内外の貿易PFサービスを利用し、貿易手続デジタル化・貿易コスト削減の効果を検証するもの。」についても、補助上限額が1500万円から1000万円になっています。類型1、類型2での申請を検討されている方は、この上限額を参考に、開発や効果検証の規模にご注意いただければと思います。

補足として、この貿易プラットフォーム活用補助金は、事業にかかった費用を全て補助するものではないことにご注意ください。この補助金には「補助率」というものが定められており、大企業で2分の1、中小企業で3分の2がその補助率になっています。また、この補助金は精算払いのスキームであるため、補助金が支払われる前に支払いを含めて事業自体は完了する必要がある、という点もご留意ください。

気をつけたいポイント(1)申請は、原則としてJグランツ経由です

まず、公募申請は原則として国が用意する補助金申請システムである「Jグランツ」を使った申請となっています。そして、このJグランツを利用するためには、「gBizID」と呼ばれるIDの「プライムアカウント」の取得が必要となります。すでにgBizIDのプライムアカウントをお持ちであれば問題ありませんが、もしまだお持ちではない場合、アカウントの取得には時間を要する可能性があるため、早めの取得をお勧めします。

気をつけたいポイント(2)会社として認められた事業を申請しましょう

次に、先のgBizIDとも関連するのですが、補助金申請は会社の代表者によって行われるものである、という点もご認識ください。申請の手続や実際の事業を担当されるのは事業実施部門でまったく問題ないのですが、会社として認められた事業を申請する必要がある、ということです。会社の承認を取らず、一部門だけで勝手に申請してしまうと後々トラブルになってしまう可能性もあるので、この点もあわせてご注意ください。

気をつけたいポイント(3)公募申請の前には、公募要領やFAQをよく読んで

1次公募の申請が5月19日から始まりました。まずは、補助金ホームページに公開されている公募要領FAQをよく確認しましょう。公募要領やFAQをしっかり読み込んだ上で、それでも不明な点は、事務局に確認いただくことが重要です。

気をつけたいポイント(4)採択された後の工数確保もしっかりと

次に、交付手続です。これは公募申請が採択された場合に必要となる手続です。非常に重要なポイントとして、この交付という手続はとても大事で、なぜなら補助事業は交付が決定してから開始しなくていけない、という決まりがあるためです。どういうことかというと、公募が採択された時点で早合点して事業を開始してはいけない、ということです。その場合、交付決定日の前に発生した請求や支払いが補助対象ではなくなってしまいますので、この点ご注意いただければと思います。また、交付手続は、公募申請と比べてもより細かい情報を記載した書類を用意する必要があります。また、この交付手続で提出する書類の内容は、最後の実績報告の時にも非常に細かく参照されることになりますので、事業計画に基づいて、確実かつ定量的な内容を記載する必要があることも付け加えておきたいと思います。

気をつけたいポイント(5)事業終了後のスムーズな実績報告のために

最後のヤマである実績報告については、事業完了が2月、そこから年度が終了する3月末までに、補助金の支払いを完了する流れになると思われます。この際には、実績報告書に加えて、交付決定後の事業開始から事業完了までの間に発生した請求・支払いに関する証憑の提出が求められます。そこで、ポイントとしては、補助事業に係る経理については、補助金以外の経理と明確に区別し、その収支状況を会計帳簿によって明らかにしておく必要があるという点を、ぜひご注意いただければと思います。

気をつけたいポイント(6)5年間、フォローアップ調査があります

最後に1点、事業終了から5年間、フォローアップ調査が行われることになります。この補助金制度は経済産業省の主導する「貿易手続デジタル化に向けたアクションプラン」の一環として行われているものであるため、補助対象事業者による事業効果を一定期間定量的にモニタリングすることが目的であると考えられます。年度末で事業が終わっても、そういったフォローアップ調査への対応が必要となる可能性があることにもご留意ください。

終わりに

これから公募が開始される本年度の貿易プラットフォーム活用補助金について、昨年度の事務局をつとめた経験からお話しできることは以上になります。皆様が補助金を申請するにあたり、お役に立てば幸いです。tradigi.jpでも補助金に関する情報は定期的にモニタリングして情報発信を続けていく予定です。