2026.07.28 おすすめ記事

国連LOCODEのトリセツ その2「どんな情報で構成されているのかを徹底解説」~CEFACT標準ことはじめ(5)

この「CEFACT標準ことはじめ」では、これまでCEFACT標準の中核的存在である「コアコンポーネントライブラリ(CCL)」と「コアコンポーネント技術仕様(CCTS)」について紹介してきました。前回からはCEFACT標準の中でも目に見えやすく、業界によっては身近な存在である「国連LOCODE」を取り上げています。今回は、前回紹介した国連LOCODEの歴史や発展・変遷の経緯に続いて、国連LOCODEを構成する情報について詳しく紹介します。

国連LOCODEは、どのような情報で構成されているのか

今回紹介する、国連LOCODEの各コードを構成する属性や情報の情報構成は、2020年に発出された勧告第16号第4版に基づいています。国連LOCODEに関するこれまでの変遷については、「CEFACT標準ことはじめ(4)国連LOCODEのトリセツ その1」をご覧ください。

まず、LOCODEのウェブサイトで表示される情報を見ていきましょう。

図1:国連LOCODEディレクトリのスクリーンショット(日本を表示した場合)

Code

これが、国連LOCODEを表す文字列です。国連LOCODEのトリセツ その1「定義と、これまでの変遷をまとめてみました」~CEFACT標準ことはじめ(4)で説明した通り、国連LOCODEは5文字のコードです。最初の2文字が国名コードで、当該区域の所属する国を示します。この国名コードはISO 3166-1に基づいたものです(例えば日本はJP)。

残りの3文字が、当該区域を示すコードです。通常は3つのアルファベットから構成されますが、当該国においてアルファベットのみの組み合わせがすべて使い尽くされた場合、数字の2から9の使用が許されています。例えば、アメリカのAbbottという場所にはUS 9ABというコードが付与されています。なお、アルファベットと数字の表記上の類似による混同を防ぐため、0と1は使用が禁止されています。

図2:LOCODEディレクトリからのスクリーンショット

なお、上記ウェブサイトの検索結果においては国名コードと当該区域コードの間にスペースが入っているように表示されていますが(例:JP XXX)、これは視認性のための措置であり、実際のデータとして扱われる国連LOCODEにスペースは存在しません(例:JPXXX)。

Name

当該区域を示す地名です。ここにはどのような地名でも入れられるわけではなく、必ず勧告の規定1に沿って、国連LOCODEディレクトリへの登録が承認された地名でなければなりません。この地名は当該地域の最も一般的で、かつ国際的な表現にすべきであるとされています。

Subdivision

こちらは当該国の行政区分を示すもので、ISO3166-2に基づく1~3文字の英数字コードを指定する欄です。日本の場合、ここはJIS X0401として定められている都道府県コードを指定します。例えば01は北海道、13は東京都、35は山口県です。

Function

これは、当該地域がどのような施設を有し、そういった施設は国際貿易においてどのような役割を担っているかを示す機能属性を示す情報です。機能ごとに1文字のコードを利用し、そのFunctionが存在しない場合はハイフン「-」として表示されます。例えばある国連LOCODEが港と空港を有している場合、この情報は「1–4—-」のように表示されます。

各機能コードの説明を、勧告16号第4版から抜粋して紹介します(「機能」「定義」欄はJASTPROによる仮訳)。

コード 機能 定義
1 海上輸送(海港・港湾) 海上輸送において、航洋船が貨物の積み下ろしを行うことができる恒久的な施設を有する場所。
2 鉄道輸送 貨物ターミナルや駅(旅客ターミナルを除く)などの鉄道ターミナルを1つ以上有する場所。その場所内に位置する特定のターミナルは、個別の場所として扱われない。
3 道路輸送 道路によって他の場所と接続されている場所。その場所内に位置する特定のターミナルは、個別の場所として扱われない。
4 航空輸送(空港)または宇宙輸送(宇宙港) 航空機が航空輸送において貨物の積み下ろしを行うことができる恒久的な施設を有する場所。
5 万国郵便連合(UPU)により認定された国際郵便処理センター(IMPC) UPUにより認定された、発送物の生成または受領を行うか、あるいは他のIMPC間で交換される郵便物の中継センターとして機能することにより、事業者間郵便の処理において重要な役割を果たす郵便処理施設。各IMPCは明確に定義された物理的な場所を有し、単一の組織によって運営されるか、その責任の下にあり、特定の郵便の流れを扱う。(これは、以前の勧告では郵便国際交換局として知られていたもの。)
6 複合輸送施設 以下の施設のいずれか一つ以上が存在する場所:インランド通関デポ(ICD): 海港または空港以外の、所管官庁により認可されたマルチモーダル輸送施設であり、固定設備を備え、あらゆる輸送手段によって税関通過輸送されるあらゆる種類の貨物(コンテナを含む)の取扱および一時保管サービスを提供し、税関管理下に置かれ、税関およびその他の機関と連携して、国内使用、倉庫保管、一時輸入、再輸出、転送のための一時保管、および直接輸出に向けた貨物の通関を行う権限を有する施設。(この定義は、ドライポート、内陸通関ターミナルなどの同義語にも適用される。)コンテナデポ:コンテナの保管、修理、および保守のサービスを提供するマルチモーダル輸送施設。内陸フライトターミナル:海港または空港以外のマルチモーダル輸送施設であり、共通利用者制で運営され、貿易貨物の受入または発送が行われる場所。
7 固定輸送施設(石油パイプラインターミナル、送電線、ロープウェイターミナルなど) 上記の定義には該当しない、貨物の積み下ろしを行う恒久的な施設がある場所(例:石油プラットフォーム)。
0 公式には機能していない 数字の「0」は、包含基準は適用されるものの、当該場所の特定の輸送モードまたは機能に関して、所管当局が認める情報が利用できない、または使用されていないことを意味する。
A 経済特区(SEZ) 貿易業務、関税額(duties)および関税率(tariffs)に関する、その国の一般的な経済法とは異なる経済法が適用される地理的地域。

なお、これまでに利用が中止されたコードが2つあります。まずコード8(内陸水路及び湖港)は、2024年のセクレタリーノートによると使用が少なかったため使用中止となりました。また、国境に位置する場所を示すコード「B」も、現在は使用中止となっています。

Status

これは、当該コードのエントリー状態を示す情報で、そのLOCODEが使えるかどうかを示します。現在使われているステータスコードは以下の通りです(「意味」欄はJASTPROによる仮訳)。

コード 意味
AM 国連CEFACT事務局及び専門家、所管官庁の代表者で構成されるLOCODE保守管理チームにより承認されたもの(JASTPRO注:利用可)
RL 指定された地名辞典や他の参考資料との照合により、地名の存在および表記が確認されたが、国際貿易との関連性は確認されていないもの(JASTPRO注:利用可)
RQ 検討中のリクエストで、場所の存在が確認できていないもの(JASTPRO注:利用不可)
RR 拒否されたもの(JASTPRO注:利用不可)
UR ユーザーリクエストでまだ正式的に承認されていないもの(JASTPRO注:利用不可)
XX 次回LOCODEの更新で削除される予定のもの(JASTPRO注:利用は推奨されない)

補足として、LOCODEエントリーに残っているレガシーコード(現在は付与されないが有効なもの)についても紹介します。これも国連LOCODEの変遷を示す名残といえるでしょう。レガシーコードの一覧は以下の通りです(「意味」欄はJASTPROによる仮訳)。

コード 意味
AA 国の所管官庁により承認されたもの
AC 税関当局により承認されたもの
AF 国内円滑化組織(National facilitation body)により承認されたもの
AI 国際機関(国際航空運送協会(IATA)または国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC))によって採択されたもの
AS 国家標準化機関により承認されたもの
AQ 登録は承認されたが機能は未確認のもの
RN 自国内の場所に関する、信頼できる国内の情報源からのリクエスト
QQ 1980年のLOCODE最初版に提出されたコードで検証待ちのもの

Geographical Coordinates Attribute

この欄は地理的座標欄を示し、当該コードの場所を検索したり、輸送業務や統計をサポートするための地理的位置の識別子を示す情報です。国連LOCODEに登録するのは原則として地点でなく範囲がある程度広いゾーンまたはエリアであるため、勧告において「座標は当該ゾーン・エリア内の最も適切な地点とする」と規定されています。座標の標準的な表記は以下の通りです(dは度、mは分を示す)。

ddmmN dddmmW, ddmmS dddmmE

以上がLOCODEウェブサイトでエントリーを閲覧する時に確認できる情報です。今回紹介したウェブサイトは最近公開されたもので、それ以前は年に1~2回国連CEFACTのウェブサイトで公開されるCSV形式のテキストファイルが唯一の確認方法でした。現在はテキストファイルとウェブサイトの両方がアップデートされていますので、用途によって使い分けることができるようになりました。

なお、CSVファイルでは多くの情報欄、例えば以下のような情報も記載されています。

  • 変更インジケータ
  • 地名(発音記号やアクセント記号使用可能)
  • 更新日
  • 備考

次回は申請方法について紹介します。(つづく)

【脚注】

  1. 発音区別符号を含む名前の場合、別名として扱われます。当地の言語で付与された地名の場合、可能な限り26文字のローマ字セットで表記します。これらの表記は技術上ISO/IEC 8859-1およびISO/IEC 10646.2でサポートされます。