この「CEFACT標準ことはじめ」では、最初の3回でCEFACT標準の中核的存在である「コアコンポーネントライブラリ(CCL)」と「コアコンポーネント技術仕様(CCTS)」について紹介し、4回目以降で「国連LOCODE」を取り上げています。今回は、これまで紹介した国連LOCODEの歴史や発展・変遷の経緯と国連LOCODEの情報構成の紹介に続き、国連LOCODEの登録申請方法をまとめてみました。
国連LOCODEの現在地
国連LOCODEには、2026年3月末時点で約11万6千のロケーションが登録されています。世界各地の大手海運会社やフォワーダー、製造業などで幅広く活用されており、各国政府や国際機関の活動、例えば欧州連合の統計調査や、万国郵便連合の特定の郵便サービスなどにも役立てられています。また、貿易と輸送分野に制限されることなく、気候変動に関わるCO2排出量報告、人道支援ロジスティクスと緊急対応、サプライチェーン透明性とサステナビリティへの取り組みなどにも活用されています。このように、国連LOCODEは多様な分野で活用される国際的な基盤コードへと発展しており、その重要性は今後さらに高まることが期待されています。
国連LOCODEは誰がどのように保守運営しているのか
国連LOCODEは、ユーザーからの申請(自国だけでなく、どの国のコードでも申請可)により追加・変更が行われます。世界中から寄せられる申請の審査やメンテナンスを担当するのが国連LOCODE運営委員会であり、この委員会は国連CEFACT事務局のスタッフ、議長・副議長、各国のフォーカルポイント(申請審査を支援する担当窓口)から構成されています。登録や変更の審査は、最新バージョンリリースに先立って国連CEFACT事務局により委員会の会合が招集され、数か月間にわたって週次の審査会議が開催されます。
他にも、国連LOCODE運営委員会は利便性向上のためにシステムを改善し続けています。前回紹介した国連LOCODEディレクトリウェブサイトの公開もその一環です。モダンなデザインとユーザーインターフェイス、シンプルな情報表示のおかげで、CSV形式の情報と比べてクイックな検索が可能になったため、ユーザーの利便性が向上したものと考えられます(もちろん、従来のCSV形式による公開も、情報システムでの活用には重要です)。
国連LOCODEの申請手順
それでは、ここから国連LOCODEを申請するための手順を紹介していきます。
申請前の事前チェックリスト
申請に先立ち必要となる事項をチェックリストにしてみました。これらがすべて満たされているかを事前に確認します。
- 登録したい国連LOCODEは、施設ではなく「行政区域または経済区域」、つまり市・町・区レベルの地名を示すものであること。
- その地名を示す座標(緯度経度)は確認できていること。
※座標は当該区域内の最も適切な地点とする必要があるため、当該区域の中心部等を指定します。また、座標の標準的な表記は以下の通りです(dは度、mは分を示す)。
ddmmN dddmmW, ddmmS dddmmE - 座標を客観的に示す情報源をGoogle Maps等で確認できていること。
- 登録したい国連LOCODEに含まれる行政区域または経済区域には、勧告16に定める貿易や輸送に関わる機能を継続的に有する施設が存在していること。
※詳しくは本連載のその2「Function」を参照のうえ、該当するFunctionの番号を明確にしておくことを推奨します。 - 国連LOCODEとして登録を申請したい3桁の文字列は、同じ国においてすでに使用されていないこと。また、アルファベットの組み合わせが枯渇していない場合、数字を利用していないこと。
以上をすべて満たしていることを確認したうえで、国連CEFACTのウェブサイトに用意された申請システムからの申請を行います。なお、同システムのアカウントを持っていない場合は、以下の手順でアカウントを作成する必要があります(アカウントがある場合はそのまま「申請の提出」が行えます)。
アカウントの作成
1.まず、UN/LOCODE Data Maintenance Request systemページにアクセスし、ログインエリアの下にある「New user, click here to register.」の「here」をクリックします。

2.次に、「New user registration page」が開いたら、フォームに必要事項を入力し、画面下部の「Register」ボタンをクリックします。

入力項目の説明は以下の通りです。すべて半角英数字のみで入力してください。日本語は使用できません。
| 項目名 | 説明 |
| Requestor’s company/organization name* | リクエストする方が所属する会社・書式の名称を入力します。必須項目です。 |
| Contact person name* | リクエストする方の氏名を入力します。必須項目です。 |
| Postal address | リクエストする方が所属する会社・組織の住所(実際に勤務するために出勤している場所)を入力します。 |
| E-mail address* | リクエストする方の電子メールアドレスを入力します。個人用ではなく、勤務先で実際に使用しているメールアドレスを推奨します。必須項目です。 |
| Phone number* | リクエストする方の電話番号を入力します。個人用ではなく、勤務先で実際に使用している電話番号を推奨します。必須項目です。 |
| Fax number | リクエストする方のファクシミリ番号を入力します。個人用ではなく、勤務先で実際に使用している番号を推奨します。 |
| User name | UN/LOCODE Data Maintenance Request systemにログインするためのユーザー名を決めて入力します。最大6文字です。 |
| Password | UN/LOCODE Data Maintenance Request systemにログインするためのユーザー名と組み合わせて使用するパスワードを決めて入力します。なお、以下の条件があります。
|
登録が正常に完了したら確認メールが届きます。届かない場合は迷惑メールフォルダ等もチェックし、見つからない場合は locode@unece.org 宛に連絡して確認を依頼します。
登録が完了したら、次の「リクエストの提出」に進みます。
申請の提出(新規登録申請)
UN/LOCODE Data Maintenance Request systemページにアクセスし、ログインエリアでユーザー名とパスワードを入力し、「Login」ボタンをクリックします。

画面の指示に従い、登録したメールアドレスに届くセキュリティコードを入力します。
ログインに成功すると、メインメニューが表示されます。

ここでは、例として「Request for new entries using single entry form」を使い、新規登録申請の手順を説明します。

画面の指示に従って入力します。入力項目の説明は以下の通りです。文字はすべて半角英数字のみで入力してください。日本語は使用できません。
| 項目名 | 説明 |
| Country | 申請するコードが示す区域の所属する国をプルダウンから選択します。日本の場合は「JP」です。 |
| Location Name | 地名のアルファベット表記を入力します。当該国の公的機関が採用する綴りを利用することを推奨します。
入力を完了した後カーソルを移動すると、もし同一地名での登録が存在する場合、赤文字で警告メッセージが表示されます。申請内容を再確認・再検討してください。 |
| 【ボタン】Check UN/LOCODE
entries |
Location Nameを入力後にこのボタンをクリックすると、システムが自動的に同じ地名を示すコードの一覧を表示します。今回の申請が既存のコードと重複していないかの確認のために利用してください。 |
| Subdivision | 対応するSubdivisionコードをプルダウンメニューから選択します。日本の場合、CountryでJPを選択すると、この欄は都道府県名とコードがアルファベット順で表示されますので、適切なコードを選択してください。 |
| UN/LOCODE | 申請するコードの文字列を国コードと地域コードに分けて入力します。入力を完了した後カーソルを移動すると、もし同一コードでの登録が存在する場合、赤文字で警告メッセージが表示されます。申請内容を再確認・再検討してください。 |
| Functions | 申請するコードの行政区域または経済区域に含まれる貿易や輸送に関わる機能に該当する数字にチェックを入れます。Functionsに関する詳細は、本連載のその2「Function」を参照してください。 |
| Geographical Coordinates | 申請するコードが示す区域を示す座標(緯度経度)を画面に表示された形式で入力します。
座標は当該区域内の最も適切な地点とする必要があるため、当該区域の中心部等を指定します。 |
| Web Link | 座標を客観的に示す情報源になるページのURLを入力します。 |
すべての入力と重複の確認が済んだら、画面下部の「Submit」をクリックします。これで申請は完了です。
申請が完了した後は?
申請が完了すると、受付完了のメッセージと申請参照番号(Request Reference Number)が申請者のメールアドレス宛に届きます。国連CEFACT事務局との連絡が必要な場合、この申請参照番号を使います。
申請の状況を確認したい場合は、メインメニューに表示されている「Previous request history(from year 2006 onwards)」ボタンから、過去のリクエスト履歴(2006年以降の分のみ)が確認できます。
また、申請者は国連LOCODEメンテナンスチームが実施するオンライン審査会議に招待されます。会議において申請理由を述べることで当該リクエストの審査が加速される可能性がありますが、会議に参加しない場合、リクエストの審査が遅れる、または拒否される場合もありますので、可能な限り参加することが推奨されます。
既存コードの「変更」申請
今回紹介した新規登録申請のほか、すでに存在する国連LOCODEの変更申請を行うことができます。その場合、メインメニューから「Request for changes」をクリックし、開いた入力フォームで「変更したい国連LOCODE」「当該コードが示す地名」「当該コードを変更したい理由(254字以内)」を入力し、「Submit Request」ボタンをクリックします。

なお、変更申請ページには重要な注意事項が記載されています。ここでは仮訳として内容を紹介します。
- 国連LOCODEの勧告および慣行に従い、地名の変更は公式かつ権威ある情報源からのものに限って受理されます。
- 既存国連LOCODEの変更は、例外的な場合かつ説得力のある理由が提示された場合、または既存のコードが実際に使用されたことがないことが確認された場合にのみ受理されます。
- 行政区画の変更は、公表された行政区画コードに誤りがあるという証拠が提示された場合にのみ受理されます。
- 「Function」の変更は、既存の登録内容が不完全または誤っている場合にのみ受理されます。
- 座標が欠落している場合はその補完が推奨され、公表された座標が正しくない場合は受理されます。原則として、その他の変更要請は受け付けられません。
- 国連LOCODEの利用者は、特定の国連LOCODE登録項目について、ご意見やご指摘をいつでもお寄せいただけます。
- 「Submit」ボタンをクリックすると、申請は国連LOCODEデータメンテナンスリクエストシステムに送信され、システムから依頼を受領したことを通知する返信メッセージが送信されます。
- 一意のリクエスト参照番号が発行されますので、国連LOCODE事務局との連絡の際は、この番号を必ず明記してください。
- 国連LOCODE事務局はリクエストを処理し、承認された場合は、年2回発行される国連LOCODE刊行物に反映させます。
- 国連LOCODEの標準的な発行スケジュールは、毎年1月末と7月末です。締め切り日は発行の2ヶ月前と定められており、具体的には、年1回目の発行については11月30日、2回目の発行については5月31日となります。締め切り日以降に届いた申請は、次回の発行で処理されます。
- その他ご質問がある場合は国連LOCODE事務局までメールにてお問い合わせください。
(訳注:最後の3項目について、2026年時点では状況が異なります。後述の「国連LOCODEの標準的な発行スケジュールと最近の状況」を確認してください)
既存コードの「削除」申請
既に存在する国連LOCODEの削除申請については、以下の条件を満たしたものが対象となります。
- 重複しており、かつ綴りが誤っているか、内容に明らかな誤りが見られるコード
- 該当する地域が存在しないなどの理由で、そもそも許可してはいけなかったコード
- 政治的、またはその他の理由で無効となった地域のコード
削除申請はUN/LOCODE Data Maintenance Request systemでは未対応のため、国連LOCODE事務局までメールにてお問い合せください。
国連LOCODEの標準的な発行スケジュールと最近の状況
原則として、国連LOCODEは毎年1月末と7月末に発行されてきました。申請の締切日は発行の2ヶ月前と定められており、具体的には、1回目の発行については前年の11月30日、2回目の発行については5月31日となります。締め切り日以降に届いた申請は、次回の発行で処理されます。
ただ、残念なことに国連の資金調達問題によって、2025年以降は国連LOCODEの発行が年1回に減少しています(詳細はこちらの記事も参照)。そのため、上記の発行スケジュールや締め切りタイミングも流動的になっています。